古民家展2018 参加作家の皆さん
左から 鈴木石太郎タンス店 鈴木浩昭さん、浩市さん/オリジナルスピーカー製作・音響協力 関利朗さん/羽賀佛壇店 羽賀富美子さん、良介さん/野本桐箱製作所 野本一貴さん
今年の「タクミクラフト 古民家展2018」は大藤棚の見頃にも重なり、連日多くのお客様で賑わいました。会期前半には県外からのお客様にも多数ご来場いただき、新潟の伝統工芸を県内外の皆さまに広く知っていただけてうれしい限り。昨年に比べ展示作家さんもぐっと増え、総勢12作家/団体の約120点以上もの作品をご紹介させていただきました。(参加作家一覧はページ文末を御覧ください。)
また、5/5の子供の日には、初の試みとして展示会場で蒔絵のワークショップも実施。予定終了時間に先駆け早々と満員御礼、大好評を博しました。
以下、ほんの一部ですが4日間にわたる展示会場の様子をお楽しみください。
会期中、見事に咲き誇った大藤棚。日に日に長く伸びてゆく藤の房に目を見張りました。
photo: mika nakanishi
大藤棚の奥に静かに広がる蓮池エリア/会場となった登録有形文化財・常盤荘入口/縁側からみた古民家展
羽賀佛壇店 塗箔師 羽賀良介さんを中心に、越後の仏壇職人と夏の伝統織物 小千谷縮が連携した新作、「コイオキ in 小千谷縮」をお披露目。近くタクミクラフトでの正式販売がスタートしますのでお楽しみに。
photo: morihashi
コイオキin小千谷縮/涼しげに泳ぐコイオキたち/貴重な小千谷縮の端切れを使ったがまぐち/藤をイメージした小千谷縮の反物も特別展示
コイオキ・コースターの手打ち金具を手掛ける、石川仏壇店の五十嵐考宏さん。三条仏壇の若き金具師として、日々鏨(タガネ)を手に製作に邁進されています。
photo:(左)morihashi(2枚目)mika nakanishi
打ち出された渡辺姓の家紋/コイオキ・コースターを彩る手打ち金具/五十嵐さんと羽賀富美子さん
新しいコイオキの木地を製作するのは、小千谷仏壇の熟練木地師、伊東貞夫さん。長岡仏壇伝統工芸士会長も務める伊東さんが製作した、お仏壇の宮殿(くうでん)も展示しました。漆が塗られる前、木地の状態で宮殿を見ることは少なく貴重な機会。間近で宮殿に見入る来場者の方々。
photo:(左)mika nakanishi(右)morihashi
伊東貞夫さん/伊東さん愛用の鉋(かんな)たち。工房にはこの5倍ほどがずらりと並び圧巻!
日本海に面した工房が所在する、長岡市寺泊の色を表現したという3色の張地や、一重刺子が美しい足立茂久商店 足立照久さんの曲輪スツール。新作の子供用はインテリアとしても飾っておきたい愛らしさ。大小さまざまの曲輪の球体には、遊び心が溢れます。そして、会場を心地よく彩ってくれたジャズのBGMは、足立さんのセレクト。音響協力してくださった関さんのオリジナル・スピーカーから流れる曲が、連日お洒落な展示空間を演出してくれました。
ウルトラセブンシリーズ、曲輪の球体、限定曲輪スツールは、タクミクラフト・ショップでも好評販売中です。
photo:(右)mika nakanishi
北方文化博物館のスタッフ 馬場さんとウルトラセブンシリーズ3部作/上越のガラス工房とコラボしたウルトラセブン小物いれ/新潟漆器の職人が塗った曲輪の塗り弁当箱
ちなみ足立さん、展示会のあったGWはちょうど田植えシーズンの真っ最中。会場にはご参加いただけず残念でしたが、新潟の誇る米作りと伝統の曲げ物作りを両立し、日々大奮闘されています。
加茂桐簞笥 野本桐箱製作所の新作、想ひ凾(おもいはこ)も登場しました。左右に開く桐箱という斬新な発想に訪れた方もびっくり! スムーズな動きと閉じた時の隙間のなさは、さすが加茂桐簞笥伝承の技。
photo:(左から2枚目)morihashi
桐の椅子のなんと軽いこと!/こちらも新作、六角キャニスター/想ひ凾の説明をする野本剛さん/子供たちにも大人気だった桐の子供イス
コイオキ×特製桐箱でお馴染みの鈴木石太郎タンス店 鈴木浩昭さん。巷で人気爆発中の桐エコスピーカーは、古民家展でも注目の的でした。同じく桐で作られているお琴の原理を利用し、電源不要で心地よい音色を楽しむことができます。
photo:(左)mika nakanishi(中)morihashi
あこがれの桐簞笥/桐エコスピーカーはいつも人気/桐箪笥について説明する伝統工芸士の鈴木浩市さん
そのほかにも多くの作家の方々の作品が展示されました
長岡仏壇 廣川仏壇店から届いたのは、精細な蒔絵の技法を駆使した13種のぐい呑みたち。一定量以上のお酒を注ぐと、「もう十分!」と勝手にお酒がこぼれてしまうという十分盃や、現品限りの馬上盃、朱鷺や良寛さんといった新潟ゆかりの絵柄が施されたものなど、美しいぐい呑みが勢揃い。
からくりが珍しい十分盃と、現品限りの馬上盃は、近くタクミクラフト・ショップでもお取り扱いがスタートします。
三条仏壇 山田仏壇店からは、塗箔師の山田貴之さんと、蒔絵師の春日美雪さんが手がけた色鮮やかな蒔絵菓子鉢と、柄の蒔絵が優しいアイススプーンセットが展示されました。特にアイススプーンは、金属洋食器の製造で有名な燕三条地域で作られ、口当たりが本当になめらか。一度使うとやみつきになります。うっかり写真を撮り損ねた漆と金箔が渋い和紙のしおりも、密かな人気商品!でした。
昨年の古民家展で華やかに登場した、東京在住の人気バッグ作家 piquantさんと、越後上布技術保存協会の協力で実現した、珍しい南魚沼市産苧麻のコラボバッグ。この世に一つのオリジナルバッグは、パーティーでも普段使いでも自慢の逸品になること間違いなし。
現品限りの苧麻バッグは、近くタクミクラフト・ショップでも一部お取り扱いがスタートします。
photo:(左)morihashi(右)mika nakanishi
昨年秋から今年3月にかけて、タクミクラフトが密着レポートさせていただいた新潟玉手箱 NIIGATA TAMATEBAKOもご紹介。新潟仏壇と加茂桐簞笥の匠たちの意欲作は、「すごくきれい。何を入れようか迷っちゃうね。」「玉手箱!?開けたら若返ったりして。」と、連日話題を集めました。
NIIGATA TAMATEBAKO – Exciting New Challenge for Niigata Traditional Craftsmen
新潟玉手箱 新潟仏壇の新しい挑戦 Vol.2 新潟仏壇の匠たち 活動レポート ー 2017年9月から現在までの軌跡 はこちらからお読みいただけます。
5月5日 新潟仏壇 羽賀富美子さんの蒔絵ワークショップ
蒔絵師の羽賀富美子さんによるワークショップは、マグネットに漆で好きな絵柄を描き、色粉で仕上げるという本格的な作業を、30分程度でコンパクトに体験。先着20名様限定でスタートしましたが体験希望が続々と集まり、午後には満員御礼の札が出るほどの盛況っぷり。残念ながら体験をお断りしたお客様にも、次回またどこかでチャレンジしていただけますように。
photo: mika nakanishi(右端)morihashi
富美子さんも参加者の方も真剣な眼差し/展示会場の一角で開催したWS/細い絵筆を使って描く参加者の方たち/猫が愛らしい、富美子さんの作品「蒔絵盆」
「藤の花を描いたよ!」 ワークショップで製作した作品を見せてくれました
あっという間に過ぎた4日間の会期。ご来場いただきました皆さん、レポートを読んでくださった皆さん、ありがとうございました!
またお会いできる日を楽しみに。 タクミクラフト & 参加作家一同
『タクミクラフト 古民家展』
会期:2018年5月3日(木・祝)〜6日(日)
会場:北方文化博物館 登録有形文化財 常盤荘
主催:タクミクラフト
協力:一般財団法人 北方文化博物館、オリジナル・スピーカー&音響 関利朗
参加作家(順不同):新潟仏壇 羽賀佛壇店/小千谷縮 小千谷織物同業協同組合/三条仏壇 石川仏壇店/小千谷仏壇 伊東仏壇店/寺泊山田の曲物 足立茂久商店/加茂桐簞笥 野本桐凾製作所/加茂桐簞笥 鈴木石太郎タンス店/長岡仏壇 廣川仏壇店/三条仏壇 山田仏壇店/piquant & 越後上布技術保存協会/新潟仏壇 新潟玉手箱プロジェクト
br>