新潟の伝統工芸と繋がる タクミクラフト

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2023.05.19

レポート タクミクラフト古民家展 2023

Takumicraft Kominkaten 2023 Exhibition Report

開催:【終了】2023年5月3日〜5日 @北方文化博物館敷地内 常盤荘(新潟市江南区)

タクミクラフト古民家展 2023

投稿日:

花を愛でる工芸品

~ 花にまつわる新潟工芸や作家の展示販売・ワークショップ ~

北方文化博物館の大藤棚奥 常盤荘にて、5月3日〜5日に開催した「タクミクラフト古民家展2023」。満開の藤を愛でながら、盛況のうちに終了しました。多くの方のご来場、誠にありがとうございました。

6作家による9種類のワークショップ(製作体験)は連日賑わいました。また、展示販売も新作など珍しい作品が出揃い、目を楽しませてくれました。

タクミクラフト・オンラインショップでは、会場で展示販売した作品の一部をご紹介中です。日頃お取り扱いのない作品や、1点限りの物も販売しています。この機会をお見逃しなく。

参加作家(敬称略)

ワークショップと小作品の展示販売

「花を愛でる工芸品」というテーマにそって、図柄に花や植物を取り入れたワークショップや作品、さまざまな花器に、植物からできている工芸品などが集まりました。

5/3のみ開催

新潟仏壇 羽賀富美子 蒔絵体験

仏壇を華麗に装飾する蒔絵の技術で、コンパクトミラーを彩るワークショップ。作家の見本を参考にしたり、オリジナルの絵を描いたり。細い絵筆を使いこなし、びっくりするほどの細かい絵柄を綺麗に仕上げている強者の方もいらっしゃいました(写真左下)

5/4のみ開催

三条仏壇 山田仏壇店 金箔キーホルダー作

こちらも仏壇装飾の重要な工程である金具打ちと金箔押しを、伝統工芸士の山田貴之さんが笑いを交えながら丁寧に指導。金具を打つ小気味良い音が会場に響きます。家族連れのお客様が多く、海外のお子様たちも真剣な表情で製作に集中!ちょっと緊張しながらも日本文化を楽しんでくれていました。

5/5 のみ開催

羽越しな布 大滝ジュンコ 羽越しな布の機織り体験

貴重な「しな糸」を使った機織りが体験できる珍しいワークショップ。ひと織りひと織り、非常に神経を使う作業だということがよくわかりました。お土産の織ったしな布は、たとえ数センチの短い幅でも自分で織った喜びと自然のオーラが溢れています。

3日間開催

村上木彫堆朱 池野漆工芸 アクセサリーの金の研ぎ出し/豆皿の色漆の研ぎ出し

本漆を使った本格的な体験ができるとあって皆真剣そのもの。作品は作家の仕上げを経て後日体験者の元へ。桜模様の研ぎ出しに挑戦した関東の男性は、届くのを楽しみにお帰りに(写真右上)。古民家展2019での体験が楽しかったと、同じ作家を訪ねて4年振りに再訪くださった方も(写真右下)。作家との交流はかけがえのない思い出となります。

3日間開催 

ポッタリー(陶芸) Studio PotterBerry スタジオ ポタベリ 絵付体験

「小皿の絵付け」「タイルの絵けずり」「マグネットのぞうがん」の3種類のワークショップ。小さな子どもでも気軽に挑戦できました。お父さんに仕上げを手伝ってもらったり、全部一人で頑張ったり。北方文化博物館の満開の藤の花の思い出を、センスのいい花模様に表した方も(写真左上)。作品は作家が焼き上げ後日体験者の元へ。
自由に絵柄を彫り込んでタイルを作るワークショップは特に人気で、器用な方が多かった印象です。

3日間開催

マクラメ編み 中野美奈子 マクラメブレスレット作り

世界各国に古代からある「結ぶ」という手法で、アクセサリーを作るワークショップ。好きな色の糸とビーズを選んで自分だけの作品に仕上げます。
カップルで作ったブレスレット。大きな男性の手で作った繊細な作品、さりげないペアコーデの世界へようこそ。
2歳の女の子はおしゃれ大好き。自分で選んだ材料でなんとアンクレットを指定!お父さんが一生懸命編みました。

展示販売

寺泊山田の曲物 足立茂久商店

大人気のわっぱやお弁当箱、曲物の素材と花器で構成される〈花結び〉が古民家のお茶室の風情に似合いました。

越後三条打刃物 近藤製作所+タクミクラフト

アウトドアで活躍する手打ちの鉄フライパンを限定数展示販売。右側はポタベリさんが愛情込めて育てた多肉植物。

加茂桐簞笥 鈴木石太郎タンス店

インテリアとしても映える桐の衣装箱。隠し引き出しがあったり、ベンチにもなる優れものです。
いろいろな工芸士さんが集まる古民家展の醍醐味は、その場でコラボ作品が生まれる出会いがあることです。村上木彫堆朱の彫師のホープが、精巧に作られた桐の小箱にアクセントとなる紋様を即興で彫ってくれました。
こちらは蒔絵師の羽賀富美子さんが施した蒔絵が見事な、桐のコーヒーキャニスター(使い方はご自由に)

大久保鋳物 五代晴雲 原惣右エ門工房

古民家展では初紹介となる柏崎の大久保鋳物。重厚な重みと現代的なセンスの融合が心地よい作品群は、会場でひときわ存在感を放っていました。

オリジナルフレーム INCH FRAME WORKS

細密画の苺は、インチフレームワークス 水品 麻矢子さんによる手描き作品。絵に合わせアレンジされたフレームが素敵。
(左)piquantさんのカラフルで楽しいchoma bag(越後上布の原料 苧麻を使ったバッグ)と、(右)塩沢織物 桑原 博さんによる塩沢紬と本塩沢を使った愛らしい干支の木目込人形たち。大変貴重な越後上布のテーブルランナーを添えて。
スタジオ ポタベリのヒヤシンスベースは、花に負けない愛らしさ。窓際にひとつ、ふたつ・・と飾りたくなります。
中野三奈子さんのマクラメ編み作品。南国の色合いが楽しいフクロウとカメレオンの大きめブローチ。

匠たちの実演

山田仏壇店 塗師の山田さんによる金具打ち!? ワークショップの仕上げ工程のひとコマです。
村上木彫堆朱 彫師の高橋郁さん。お若いのに確かな腕前は産地でもひっぱりだこなんだとか。
新潟県は最北の山熊田から機を持ち込み、華麗な織りの技を披露してくれた大滝ジュンコさん。会場に吊るされた新作のサコッシュも、風に揺れて気持ちよさそうです。

今年の古民家展は、4年ぶりとなるワークショップをメインに、多くの作家が会場に滞在してお客様をお迎えしました。長かったコロナ禍と呼ばれる数年間がようやく明けた今年。自由に人々が行き来し、楽しむことのできる日常を取り戻した喜びを、花の溢れる会場でお客様と作家とともに分かち合いたいと企画した展示でした。

会期中、お客様も作家の皆さんも、とてもいいお顔で場を楽しんでくださっていたことがうれしく、心に残りました。

改めて、「タクミクラフト 古民家展2023」へのご来場をありがとうございました。タクミクラフトでは今後も新潟の工芸作家による新しい取組、コラボ作品を中心にご紹介してまいります。どうぞまたお会いしましょう!

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