「新潟県伝統工芸品」が新創設
2022年5月11日、新潟県が独自に指定する「新潟県伝統工芸品」に、県内の11品目の工芸品が初めて指定されました。
新潟県には、国の経済産業大臣に指定された「伝統的工芸品」が東京、京都についで全国で3番目に多くありますが、それ以外にも素晴らしい工芸品がまだまだ数多くあるということに、改めて気付かされた嬉しいニュースです。
「新潟県伝統工芸品」指定一覧
工芸品の名称(製造地域)
・小国和紙(長岡市)
・寺泊山田の曲物(長岡市)
・三条六角巻凧(三条市)
・大谷地和紙(三条市)
・新潟県産打揚花火(小千谷市ほか)
・十日町友禅(十日町市)
・上越バテンレース(上越市)
・庵地焼 旗野窯(阿賀野市)
・安田瓦 鬼瓦(阿賀野市)
・越後本染注染 手拭(阿賀野市)
・出雲崎 手作り紙風船(出雲崎町)
新潟県伝統工芸品の指定要件など詳細はこちら(新潟県HP)
「寺泊山田の曲物(てらどまりやまだのまげもの)」について
今回指定された工芸品のひとつ「寺泊山田の曲物」は、タクミクラフトでもこれまで幾度となくご紹介してきた長岡市寺泊の工芸品です。長岡市無形文化財指定に加え、この度新潟県の伝統工芸品として指定されました。
雄大な日本海に面した寺泊山田は江戸時代から曲げ物の生産地として栄え、篩(ふるい)・裏漉し(うらごし)・蒸籠(せいろ)などが盛んに作られてきました。現在唯一の篩屋として伝統の技術を守っているのが足立茂久商店です。
足立照久さんは、昔からの伝統製品を日々製作するのはもちろんのこと、材料難と織り手不在により入手できなくなった馬の毛網(裏漉しや篩には欠かせない材料)の製作を長岡造形大学と協力して模索するなど、曲物技術を未来に繋ぐ活動に尽力されています。また、現代の生活にあわせたインテリア製品を多数考案し、新しい取組を重ねて曲物の可能性を追求し続けています。
これからも新潟県を代表する工芸品のひとつとして大切な伝統を受け継がれながら一層発展されることを願い、応援しています。