鈴木浩昭さん 自身の工房にて
創業明治20年、伝統的工芸品 加茂桐簞笥の老舗 鈴木石太郎タンス店の熟練職人。全国最大の産地である加茂で、桐簞笥が造られるようになったのは220年以上前。江戸時代末期より加茂桐簞笥として全国に名を馳せました。原木の製材・アク抜き・天然乾燥と、産地で3年間手塩にかけた桐材と職人の見事な手技が合わさることで、桐の木肌のぬくもり、絹に例えられる白い艶や柾目の色合いをもつ最高級家具が出来上がります。
なかでも鈴木さんは国産桐にこだわり、伝統簞笥の製造にとどまらないアイディア溢れる現代の桐製品を次々と発表。素材の性質を知り尽くした職人だからこそ考案できる新作のスマホ用スピーカーは、シンプルで軽量、驚きの音質のよさが評判です。今回、古民家展では新潟佛壇 羽賀佛壇店とのコラボ商品、色漆鯉の箸置き用特製桐箱のほか、スピーカーやスツール、コーヒーケースなどたくさんの作品を展示しました。
鉋掛けが命と語る鈴木さん、聞けば体育大学出身のスキーヤーだとか。マルチな熟練職人の次の閃きが楽しみでなりません。
左:桐エコスピーカー(スマートフォン/iPod 用)、
右:灯り
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PHOTO:ナカニシ ミカ