タクミクラフト 古民家展2018 にてお披露目&予約受付 @北方文化博物館 常盤荘 2018.05.03 – 06 【終了しました】
コイオキ in 小千谷縮
‘KOIOKI’ x Ojiya Chijimi
羽賀佛壇店(新潟仏壇) × 小千谷織物同業協同組合
昨年の古民家展でお披露目したコイオキ。愛らしい箸置きとなった新潟県の観賞魚「錦鯉」が、今春は錦鯉発祥の地・小千谷の涼しげな縮をまとい、夏の装いで登場です。丁寧に塗り重ねられた本漆の錦鯉は、ひとつひとつ模様も表情も異なり、思わずお気に入りの1折を探し、楽しんでしまいます。
コイオキの製作に携わる皆さんもパワーアップ。色漆錦鯉の美しい流線形を彫りだすのは、小千谷の熟練木地師・伊東貞夫さん。小千谷縮のコースターを留める特製金具を手打ちするのは、新潟市西蒲区巻の若き金具師・五十嵐考宏さん。そして、色漆錦鯉の創作者であり、今回のコラボレーションをまとめるのは、新潟市東区のこだわり塗箔師・羽賀良介さん。良介さんがひとつひとつ本漆を塗り重ね、絵付けをした色漆錦鯉に蒔絵を施すのは、奥様の蒔絵師・羽賀富美子さんです。
新潟の各土地で伝統仏壇を製作する職人たちが、それぞれの技と感性をあわせコイオキを製作いたします。
新潟県内の伝統仏壇は、木地・彫刻・金具・蒔絵・塗箔という5職の匠の分業で製作されます。
どの手技が欠けても成り立たない、仏壇が総合芸術作品とも呼ばれる所以です。
しかし近年の流れとして、全国的に伝統産業に関わる職人数はみるみる減っており、後継者育成も対応の遅れをとり、先行きがはっきりしていないのが現状です。
良い時代の記録は大事ですし、伝統も守らなければいけないと強く思います。
そんな現実の現場を知るのはやはり、今、現場の最前線で仏壇製造・技術継承に携わっている産地の職人さんたちです。コイオキの作家、新潟仏壇・塗箔師の羽賀良介さんをはじめ、新潟県の伝統的工芸品各産地の中でも、危機感をもっている職人さん同士が想いを重ねていくなかで、「同県同業の異なる産地の協力をもって何かを作ること(合作)が、全国的に例もなく、コイオキを創り始める時の理想に合致する!」と、今回の小千谷縮シリーズが始まりました。私たち周辺の応援者からではなく、現場の皆さんだからこそのアイディアと強い気持ち。
「同業だからこその協力の難しさはあると思いますが、こんな感じでの技術提携は楽しくなりますよね?
大袈裟ですが、少しでも新潟県の仏壇業界の為になればとの情熱をカタチにしたつもりです。」
羽賀さんのこの言葉にも、伝統継承者としての強い思いと使命感が溢れています。
コイオキには、日本古来の大切な文化や伝統を絶やさず、未来に繋げたいという匠たちの想いが込められています。
Our new and exciting project between KOIOKI and Ojiya Chijimi.
Ojiya Chijimi is weaved cloths for summer Kimonos. Ojiya is also famous for Nishikigoi (Japanese carp) which Koioki comes from. Discarded pieces of the weaved cloth were used for Koioki Coasters. The leaf shaped coaster has a specially created metal fitting by Takahiro Ikarashi, Sanjo Butsudan.
This Koioki was produced by Sadao Ito and Ryosuke Haga. Mr.Ito is an experienced Butsudan carpenter in Ojiya. Mr. Haga is the original creator of Koioki and paints with urushi individually.
This is another exciting collaboration with other craftsmen for this exhibition.
▼コイオキ全シリーズのご紹介はこちらから
‘KOIOKI’ コイオキ in 小千谷縮/in 特製桐箱 シリーズ KOIOKI ‘Irourushi Nishikigoi’ (Lacquered Koi Chopstick Rests)
信仰深き越後の異なる産地から3職の匠が集結
新潟仏壇・塗箔師 羽賀 良介
Butsudan urushi painter Ryosuke Haga, Niigata Butsudan
新潟市東区に店を構える明治創業佛壇店の4代目、羽賀良介さんは、塗箔師として日々真摯に仕事に向かう。お客様の満足が第一と言い、そこに妥協をしない仕事ぶりが信頼を呼ぶ。お客様とは何代にも渡りお付き合いがあるというのがその証である。
塗箔師は、5職(木地、彫刻、金具、蒔絵、塗箔)の分業で製作される仏壇工程のいわばプロデューサー的役割を担う。仏壇の木地ひとつひとつに刷毛で丁寧に漆を塗り、金箔を貼って金具を飾り、組み上げる。なぜ刷毛目なく漆黒の平面が作り出せるのか、何度見ても不思議で仕方ない。素材、技法、道具に仕事場の環境、漆塗りに関係するあらゆる事々に試行錯誤を重ねたその技の真髄は、愛らしい色漆錦鯉にも燦然と宿っている。
小千谷仏壇・木地師 伊東 貞夫
Butsudan carpenter Sadao Ito, Ojiya Butsudan
小千谷で作られる伝統仏壇は、欅の木目をそのまま生かした仕上げも特徴のひとつ。木目の美しさを最大限引き出すには、熟練木地師の技量と豊富な経験が欠かせない。小千谷で腕のたつ木地師と名高い伊東貞夫さんは、長岡仏壇伝統工芸士会会長も務めるほど、高度な技術に定評のある正真正銘の熟練職人。自身の技を突き詰める傍ら、若手の育成や地域活動にも非常に熱心に取り組まれている。
工房にお邪魔すると、ずらりと並ぶ鉋にまず目を奪われる。手のひらに収まってしまうほど小さなものから、腕の長さを越すほど大きなものまで、手直しを重ねた愛用の道具を用途に合わせ使い分ける。仕上げも必ず手鉋で、時間をかけ丁寧に。こうすることで艶が全く異なるという。 「まだまだ極められんよ。」と謙遜する伊東さんの、柔和で朗らかなお人柄に、皆たちまち虜になってしまうのだった。
三条仏壇・金具師 五十嵐 考宏
Butsudan chaser Takahiro Ikarashi, Sanjo Butsudan
新潟市西蒲区から燕市、三条市と隣あう三つの地域で作られる伝統仏壇は三条仏壇と呼ばれ、趣向の凝らされた手打ち金具が品格ある金仏壇を上品に飾る。
西蒲区巻の工房でその伝統の錺金具を手掛けるのが、若き金具師の五十嵐考宏さん。ゆうに数百はあろうかという使い込まれた鏨(タガネ)を自在に操り、寡黙に製作に向かう。銅板を打つ小気味よい音とともに、精細な蓮の花、強面の龍、優美な唐草などが鮮やかに手元に打ち出されてゆく。
伝承の技と道具を受け継ぎ、期待を背負いながら日々研鑽を積む。休みの日もできるだけ道具に触り、手を動かすようにしているという。いつも謙虚で、はにかむような笑顔が魅力的な五十嵐さんだが、仕事場で鏨を持つ表情は、凛として頼もしい。
※新作の「コイオキin小千谷縮」は受注生産にて、タクミクラフト 古民家展2018会期中予約受付後、一点一点手作りしてお届けします。特製桐箱仕様は、通常販売いたします。その場でお気に入りの色漆錦鯉を選んでいただけるのが、展示会ならではの特別感! 是非会場に足をお運びください。
コイオキ KOIOKI シリーズのチラシができました。
PDFダウンロード コイオキシリーズ チラシP.1
PDFダウンロード コイオキシリーズ チラシP.2
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