夏の着物をクリーニングに出さず、自分で洗うことができたらもっと気軽に何度も着ることができるのに・・・、という声をよく聞きます。
夏着物の代名詞、麻100%の小千谷縮は水洗いできるのが最大の特徴のひとつです。なんと洗濯機で洗って優しく脱水すれば、アイロンがけも糊付けも必要のない、簡単なステップで完了です。伝統のお着物がお手軽に洗えて、クリーニング代がかからないというのはとても魅力ですよね。洗ったら干すだけで良く扱いやすい小千谷縮、JR東日本のPR用半纏にも採用されているそうです。
小千谷織物同業協同組合のある小千谷織物工房(サンプラザ)にて、講師の樋口文子さんによる洗い方講座を見せていただきました。
小千谷縮の洗い方
01 着物を洗濯するための準備に必要なものは、中性洗剤と洗濯桶(洗面器)です。
02 麻は水に強いので洗濯機で水洗いができます。
03 襟など汚れやすい部分は、中性洗剤で別洗いをすることもできます。暑い夏に何度も袖を通すお気に入りは、いつも綺麗に洗濯したいものです。
04 襟の汚れが特にひどい時は、洗面器で一度水洗いをしておくのも良いでしょう。
05 洗った着物を畳みます(別動画参照) 「折り目正しく」という言葉のとおり、平面の直線的な裁断で作られている和服は、折り目がはっきりしているので畳みやすくできています。
06 着物のたたみ方
07 100円均一ショップでも買えるワイシャツ用の洗濯ネットに挟み込んで。
08 ネットを洗濯機へ。おしゃれ着用などのデリケート素材用の全自動コースを選びましょう。洗剤もおしゃれ着用のソフトなものがおすすめです。
09 洗って30秒ほどの脱水後、大きなビニール袋の上に取り出します。畳んで入れたので形が崩れていません。
10 広げて、シワを伸ばしながら畳み直します。
11 片方の前見頃を折り込みます。
12 見ごろを両方折り込みます。
13 裾を合わせます。
14 二つ折りにします。
15 きちんと合わせるのが仕上がりを綺麗にするコツ。
16 汚れないようにビニールで包みます。
17 平らな状態に整えて、雑誌やテーブルを重しにして約10分。手でシワを伸ばしながらビニールから取り出します。
18 着物用のハンガーや物干し竿に袖を通します。
19 直射日光の当たらない場所で干します。着物を畳む手順を覚えてしまえば簡単に、自分でお手入れができる麻の着物。夏は肌触りも涼しく、麻物を着慣れるともうこの季節は手放せません。
樋口文子さん、ご指導ありがとうございました。涼しい麻のお着物で、暑い夏を美しく心地よく過ごしたいですね。