新潟の伝統工芸と繋がる タクミクラフト

触れる - 新潟の伝統工芸の展示会など

2025.05.12

レポート タクミクラフト古民家展 2025

Takumicraft Kominkaten 2025 Exhibition Report

開催:【終了】2025年4月28日〜30日 @北方文化博物館敷地内 常盤荘(新潟市江南区)

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2年ぶり7回目となる今年の古民家展は、ゴールデンウィーク前半の八重桜やツツジの咲き乱れる北方文化博物館を舞台に、いまの暮らしに寄り添う工芸品をご紹介しました。開催内容はこちら

県内外、海外からもいらした来訪者の方々には、昨今暑さの増す夏にお手元に置いていただきたい、「涼を感じる工芸品」をテーマに作品をご鑑賞いただきました。毎回人気のワークショップでは、伝統工芸士のお二人とお話しをしながら、皆さん作品づくりに取り組んでいただきました。今年はじっくりと腰を据えて製作される方、2つのワークショップを両方体験される方が多くいらしたのが印象的です。

3日間の会場の様子をご覧ください。今年は藤の開花が遅く、会期中は藤の花の見頃には至らずでしたが、春の訪れを感じさせてくれる素晴らしいお庭の美しさでした。

会場の常盤荘周辺は、満開の八重桜が見事
会期中に花びらが散り、一面桃色の絨毯に
お茶室として利用される時のみ公開される常盤荘。2年ぶりに新潟県の工芸品で賑わいます
今回のメイン作品「蒔絵グラス」。 新潟では珍しい吹き硝子の器を、新潟仏壇 蒔絵師の漆芸の技が彩ります。モチーフは左から「横越地区川根谷内の獅子舞」「カモメ」「雪の結晶」「佐渡の朱鷺」「藤」「佐渡おけさ」。(蒔絵:羽賀佛壇店 羽賀 富美子 吹き硝子:秋葉硝子 企画・販売:タクミクラフト)
秋葉硝子の飴色がかった吹きガラスの上を、繊細なタッチで描かれたツバメが優雅に舞います
羽賀富美子さんによる金継風ワークショップ。好きなパーツを選んでチャームを作りました。子供から大人まで、それぞれの手先の器用さにあわせて製作ができました。自分だけの小さな作品ができる喜びを、たっぷり感じていただけたようでした
村上木彫堆朱の伝統工芸士である池野律子さんは、堆朱作品には珍しい青色の顔料を使ったアクセサリーを展示販売。「涼を感じる工芸品」にぴったり!
池野さんの漆の研ぎ出しを体験できるワークショップにも、老若男女の体験者が真剣に取り組みました
フランス出身のアーティストも、工芸の作り手の話に熱心に耳を傾けます
鈴木石太郎タンス店の加茂桐簞笥と現代生活にマッチした様々な桐小物は、古民家展で毎度人気の高いアイテムです
新潟の美味しいお米と鈴木さんの桐米びつが出会った〈8/10 はちがつ-とおか〉シリーズ。その隣はアウトドアで大活躍の越後三条打刃物の手打ちフライパン(製作:近藤製作所 企画・販売:タクミクラフト)
柏崎で六百年以上もの伝統を継承する大久保鋳物 五代晴雲 原 惣右エ門工房さんの作品。灼熱の炎の中から生まれた水辺の動物たちが、古民家に涼を運んできてくれました
新潟の最北端、山熊田からは山熊田工房 大滝ジュンコさんのしな布作品が届きました。貴重な羽越しな布が揺れる風鈴は、見た目も音色も夏らしい涼しさが溢れています。ガラスは蒔絵グラスと同じく秋葉硝子製の吹きガラスです
大滝ジュンコさんの山熊田しな布のサロンエプロン。こんな素敵なエプロンをつけたらさぞや美味しいお料理ができそうで!
寺泊山田の曲物 足立茂久商店の足立照久さんは、曲輪の技術を用いた新製品を数多く製作されています。曲輪の球体とアクリル花器の透明感が涼しげな花結びや、新潟漆器の重厚な変塗(かわりぬり)が魅力の漆塗弁当箱
以前の古民家展に参加いただいた、佐渡の竹細工 数馬昭男さんの花籠(非売品)にはライラックの一枝を
マクラメ編み・刺繍・ビーズなどを駆使した作品を制作する中野三奈子さん。今回は涼しげで華奢なアクセサリーがたくさん
Studio PotterBerry(スタジオ ポタベリ)による愛らしい「タニトモ 植木鉢ピック」。花や植物がよく似合う絵付け陶器が並びました
塩沢織物 桑原織物さんの塩沢織物 札入れ。手触りが気持ちよく、なにより渋くてかっこいい!
越後上布の材料である苧麻を、世界中のリボンなどと編み込んだPiquantさんのカラフルな苧麻バッグ
北方文化博物館の西門広場にアトリエを構えるINCH FRAME WORKS (インチフレームワークス)さん。季節の植物を描いた原画入りのオリジナル・ミニフレーム

ややもすると花冷えの感じられる日もあった会場でしたが、春のそよ風は穏やかで、たおやかな藤棚と桜絨毯、ツツジに芍薬とたくさんの花と緑の鮮やかさが印象的な3日間でした。古民家展を通じ、新潟工芸や作家作品の手しごとの魅力に触れていただけたなら幸いです。

ご来場いただいた方々、そしてレポートを読んでいただいた方々、ありがとうございました。

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