新潟の伝統工芸と繋がる タクミクラフト

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2020.08.24

【終了】新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」

開催:2020年9月20日 SUN 13:30~17:00

みらい大学

投稿日:2020年8月24日 更新日:

新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」

【終了いたしました。作り手の皆さんとのトークを会場やライブ配信でお聞きくださった皆さま、ありがとうございました。タクミクラフトも学びと気づきの多いひとときを過ごさせていただきました。会場写真とともにレポートをぜひご覧ください。】

伝統工芸の現在を伝えるトークイベントに、県内の作り手のみなさんとともにタクミクラフトも参加いたします。
トークは会場参加、ライブ配信視聴のどちらも事前申し込み制、無料で参加いただけます。
会場内で行う小さな展示販売会では、参加作家とタクミクラフト取り扱い作品の一部を展示販売いたします。販売会はどなたでもご覧いただけますので、お気軽にお越しください。

2020年9月20日(日)
13:30~15:00

トークセッション(開場13:00)事前申し込み制
ライブ配信あり

15:00~17:00
伝統工芸品の展示とちいさな販売会
どなたでもご自由にご覧いただけます

会場:新潟日報メディアシップ2階日報ホール(新潟市中央区万代3-1-1)

基調講演「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」13:30~15:00

新潟県には地域の資源を生かし、技術の継承で歴史を重ねてきた多くの工芸品があります。
伝統を守りながら新しい試みに挑戦するものづくりへの思いや、その活動を支援する取り組みについて、県内の伝統工芸のつくり手の皆さんらが語ります。会場内では工芸品の展示と一部作品の販売会も行います。

入場無料
事前申込制(抽選)定員50人・ウェビナー配信あり
申込 9月9日(水)必着 申し込みはこちらから

当日の講演の模様は、Zoomでのライブ配信も行われます。
申込 9月19日(土)23:00まで 視聴申し込みはこちらから
※当初9/17までとご案内しておりましたが、締切延長されました。

伝統工芸品の展示とちいさな販売会 (同会場) 15:00~17:00

ご登壇いただく伝統工芸の作り手による作品の展示と、タクミクラフトオンラインショップで取り扱っている作品の一部を販売します。この機会にぜひご覧ください。
※展示販売会は、みらい大学公開講座へ参加する方以外もどなたでも自由にご覧いただけます。(申し込み不要ですが、新型ウイルス感染症対策の一環でホール受付にお立ち寄りください。)

トークセッション参加者

大滝ジュンコ

大滝ジュンコさん (伝統的工芸品 羽越しな布 つくり手/マタギの嫁)
photo: mika nakanishi

1977年 埼玉県生まれ。東北芸術工科大学工芸コース卒業・同大学院実験芸術領域修了。現代美術家・しな布作家。場が息を吹き返す、または美しく閉じるためのアート活動を、全国各地、各国で行う。長崎県波佐見町「ギャラリーモンネポルト」代表(2007-2011)、富山県氷見市「アートNPOヒミング」アートマネージャー(2011-2015)など、アートと地域文化を活用した活性化事業や、各地方紙、雑誌などへの連載も。新潟県村上市山熊田のマタギを取り巻く文化に衝撃を受け、2015年移住。山熊田マタギの頭領と結婚。現在、樹皮から作る日本三大古代布「羽越しな布」をはじめ、絶滅危惧文化の伝統継承を行っている。

桑原 博

桑原 博さん (塩沢織物の伝統工芸士)
photo: mika nakanishi

1955年 新潟県南魚沼市生まれ。塩沢の代々織物家業の家に生まれる。東京日本橋の三幸商店にて2年間、全国の織物について学び、その後訓練校にて染織工芸科を専攻。卒業後桑原織物株式会社入社。20年以上の修行の後、代表取締役就任。1995年、伝統工芸士の資格取得。現在も製作に励むとともに、後進の育成や技術の継承に奔走し、特に毎年開催の雪晒し講習会(2020年は中止)では中心となって広報活動を行なっている。
国指定重要無形文化財・ユネスコ無形文化遺産 越後上布 製作者・越後上布技術保存協会会員/塩沢織物 工芸士会 会長・塩沢織物工業協同組合 理事長。

渡邉 和也

渡邉 和也さん (鍛金師)
photo: mika nakanishi

1978年 新潟県三条市生まれ。長岡造形大学にて鍛金を専攻。2001年 株式会社玉川堂入社。2006年 玉川堂退社、独立し鍛工舎を設立。個展、オーダー制作を中心に活動。2017年 LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 新潟代表。伝統を活かしつつも縛られる事なく、現代に求められる工芸の在り方を模索している。

タクミクラフト スタッフ

タクミクラフト

フリーランスとして新潟市を拠点に活動するデザイナー 飯塚由美子(パルスデザイン)と、アートコーディネーター 川越千紗子(クエルカ)の2名で、2016年に「タクミクラフト」のユニット活動を開始。それぞれに個別の活動をしながら、タクミクラフト名義ではお互いの強みを活かして新潟の伝統工芸の広報支援や展示会企画・運営等を行っている。※タクミクラフトは二人で活動をする際のユニット名

レポート

お天気にも恵まれた新潟日報みらい大学 第2回公開講座当日。
ホール前方に大型スクリーンと登壇者、後方には作り手のみなさんが持ち寄った貴重な工芸品の数々が展示された会場で、来場してくださったみなさんとともに約1時間半のトークセッションが始まりました。

新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」
新潟日報メディアシップ・日報ホールにて。トークセッションはそれぞれの産地風土、製作や活動の紹介からスタートしました。
ステージ左より、日報論説編集委員 渡部麻里子さん、塩沢織物の伝統工芸士 桑原博さん、伝統的工芸品 羽越しな布のつくり手 大滝ジュンコさん、鍛金師 渡邉和也さん、タクミクラフト(飯塚・川越)

新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」桑原さん

伝統的工芸品 本塩沢、塩沢紬の伝統工芸士であるとともに、越後上布の製作者でもある桑原さん。麻織物の素材である苧麻(ちょま)を片手に、膨大な製作工程を説明してくださいました。

新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」大滝さん

新潟県最北にある山奥の村 山熊田の厳しくも豊かな自然を、ご自身が撮られた美しい写真とともに紹介する大滝さん。山と共に生活する集落で、伝統的な狩猟法を守る希少なマタギの皆さんの様子も紹介されました。

新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」渡邉さん

鍛金師の渡邉さんが手に持ってらっしゃるのは、丸く切り抜かれた一枚の銅板。この薄い銅板がスライドに映し出された美しい釜になるというのですから驚きを隠せません。「鍛金」の字のごとく、金鎚でひたすら打つことで金属を鍛え成形してゆきます。

新潟日報みらい大学「古くてあたらしい新潟の伝統工芸」聴講者

作り手のお話に熱心に耳を傾け、メモを取られる聴講者の方も多くみられました。

終わった後の展示閲覧

トーク終了後、ホール後方に展示された作品の数々をご覧になるみなさん

桑原さん展示
桑原さんと閲覧者

上:滅多に拝見することのできない大変貴重な国の重要無形文化財指定 越後上布をはじめ、伝統的工芸品 本塩沢、塩沢紬が並びます。下:お着物をお召しになった聴講者の方々に説明をする桑原さん

渡邉さん展示
渡邉さん新製品

上:ギャラリーで展示されたアートワーク 下:with コロナの時代に合わせ開発された、スマートな新製品「FINGER HOOK」。公共交通機関のつり革や券売機、トイレの内鍵、エレベーターのボタンなどに直接触れることなく利用できる優れた実用品

大滝さん展示

大滝さん独自の「もじり織」が美しいしな布に、昨年秋の東京展「山の織 雪の色」でお披露目したバゲットバッグ。時勢にあわせ作られたしな布のマスク、最新作の手提げ&肩かけバッグなど大滝さんが手がけるこれらの美しい実用品は、しな布の本来の姿である機能と用の美を備えています

山田さん展示
山田さん展示

三条仏壇×現代アートチーム 目[mé]による新しい祈りの提案「空壇」。伝統工芸士と現代アーティストが共につくりあげる空壇は、工芸品でもアート作品でもない独特の存在。今回のトークテーマ「古くて新しい工芸品」の事例のひとつとしてご紹介しました。

タンスと苧麻バック

ホールホワイエでは、「ちいさな販売会」と題してタクミクラフトで日頃ご紹介している新しい工芸品を展示販売いたしました。焼桐の小箪笥に飾られた伝統織物のテーブルランナーやシェード、そのお隣は南魚沼栃窪産の苧麻と東京のバッグ作家がコラボしたカラフルな苧麻バッグたち

足立さん

新潟の染色家のテキスタイルを用いた曲輪のスツールや、ウルトラセブンとのコラボ作品。右端は桑原さんの貴重な越後上布で作ったテーブルランナー

コイオキ ネコオキ トリオキ

タクミクラフトではおなじみの色漆シリーズ。手前からコイオキ、ネコオキ、トリオキが並びます

マクラメ

新潟のマクラメ編み作家によるフクロウやカメレオンのブローチ。しな布のしな糸を用いたフクロウや、村上木彫堆朱の球を包んだチャームがひときわ目をひきます

8月10日

農業と伝統工芸を繋いだ事例としてご紹介した〈8/10 はちがつ-とおか〉シリーズの低農薬玄米や古代米、カラフルなミニ米びつ。その奥は現代にマッチした人気商品、電源不要の桐エコスピーカー

新潟日報みらい大学、濃密な1日はあっという間に過ぎてゆきました。
数百年の昔から連綿と受け継がれてきた手技を守り伝え、現代の生業とされている作り手の皆さん。三人三様、異なる背景と環境で日々、真摯にものづくりと向き合う心身から発せられる生の声は、私たちの心を熱く打つものばかりでした。

赤ちゃんの頃から機を織る音に囲まれて育った桑原さんにとって、生涯を織物と共に生きるのは当然のこと。「自分が誠心誠意繋いでいけば、きっと優秀な若い世代の子たちが必ず新しい織物の姿を見せてくれるはずだ」と力強く塩沢の、ひいては織物業界の未来への夢を語ってくださいました。
都会から単身山奥に飛び込み、目の前で絶滅しそうになっている厳しくも豊かな山の暮らしを受け継ぐことを決意した大滝さん。電気をひとつも使わないしな布の製作や山での生活を「一周回って最先端だと思った」と目を輝かせながら、しかし最初は葛藤を抱えていたことも明かしてくださいました。大滝さんにとってしな布つくりは「自分自身が迷子になりそうになった時に、戻ってくることのできる礎だ」という言葉にはハッとさせられるものがありました。
いつの時代でも、人々を魅了し手に取ってもらえるものというのはなんなのか。その答えは「愛着を持ってもらえるものだ」と強い眼差しでおっしゃった渡邉さん。「自分はストライクゾーンが広く、色んなものを制作している」とおっしゃるとおり、アート作品から実用品、茶の湯の釜から楽器(スティールパン)にまでと、その活動は時流を鋭く読みながらどんどんと大きく広がり、今は手狭になった工房から大きな拠点へのお引越し準備中というお話に、楽しみなこれからに私たちまでワクワクと胸が弾みました。

いまだかつて経験したことのない事態に地球規模で見舞われている現在。タクミクラフトも5月に開催予定だった展示会をやむなく中止し、今回の公開講座に呼んでいただけるまで、作り手の皆さんともお会いできぬ日々を過ごしてきました。約半年ぶりの対外的な活動となった今回、改めて作家やお客様と直接お会いしてお話ができること、自分の手で本物に触れること、同じ場所でその瞬間の体験、感動を共有できることの喜びを噛みしめました。
トークセッションを通じ、私たちがなぜ「新潟の伝統工芸と繋がる タクミクラフト」という活動を始めたのか、今一度自分たちのおへそを見直すこともできました。今回いただいた刺激と気づきを、新しい時代のもと展開されるこれからの企画、活動にたっぷりと生かしてゆきたいと思います。

最後になりましたが、会場やライブ配信でトークをお聞きくださった皆さま、レポートを読んでくださった皆さま、そしてこのような機会を与えてくださった新潟日報みらい大学関係者の皆さまに、この場を借りて心より御礼申し上げます。

タクミクラフト

photo:mika nakanishi

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